令和四年二月 NPO法人農業情報総合研究所
「飯田ブドウ園」との出会い
NPO農業情報総合研究所は、農業・食に関する勉強会を開催しています。平成二十六年、都内の農地は減少の一途をたどっているのを知り都内に残る農地、空き地活用について調べていました。渋谷区、世田谷区に面白い事例があるというので参加メンバーと見学に行ってみることにしました。渋谷区は区の所有地を区民菜園として活用。世田谷区は宅地が農地になったという事例を見ることができました。詳細は、また別の機会にご紹介させていただきます。
世田谷区の見学は、JA世田谷目黒の職員さんに案内していただきました。見学した場所の近くに、ぶどう園があるというので連れていってもらいました。農園は「飯田ブドウ園」。園主は飯田勝弘さん。JA世田谷目黒の会長です。
ちょうど、スタッフの皆さんとジベレリン処理の作業を行っているところでした。ご挨拶の後、園内の様子を見ながら作業についてお話しを伺うことができました。ぶどう栽培では一般に行われている作業のひとつ。ジベレリン処理ご存じですか?種無し化と粒の肥大化を行うための作業。花の満開前と満開後の二回行われるそうです。調べてみると、ぶどうの種類によっても使用時期が異なるそうです。一つ一つ手作業で小さな房をジベレリン溶液に浸していきます。ぶどうは手を伸ばす位置にあるので腕を上げたままでの作業です。想像しただけで大変な作業だとわかりました。
ぶどう狩りの概要
東急田園都市線「用賀駅」から徒歩五分。入園料無料。朝五時から整理券の配布。九時開園。整理券を持った人から入園。いったん入場制限あり。入口でカゴとハサミを受け取ったら、自由に園内のぶどうを収穫できます。ひと家族カゴひとつ。品種は高妻、安芸クィーンの二種類。一kg二千円(税込み)の量り売り。収穫後に、受け付けで現金精算となっています。
ぶどう狩りに参加してみて
令和二年、「飯田ブドウ園」のぶどう狩りに行きました。「飯田ブドウ園」は、現在の園主が、三十年前からぶどう栽培をはじめたそうです。平成十九年に、ワイン専用品種メルローを栽培。ワイン造りも行っています。(山梨県塩山にあるワイナリーが製造)。平成二十七年、プライベートブランド「Act one etagaya Merlot 2014」(赤ワイン)を販売。令和三年に販売された「Act one Setagaya Merlot 2020」は、すでに完売しています。
毎年、ぶどう狩りは大人気で午前中には終了してしまいます。どのぐらい人気があるかというと、開園までブドウ園を囲むように行列ができるほどです。日陰がないので、帽子、日傘、ハンカチ、水など、熱中症対策をして並んで待ちましょう。園内は大勢の家族連れでいっぱいです。子どもたちは、踏み台に乗り、手を伸ばし、大きなぶどうをハサミで切っています。その様子を、お父さん、お母さんがスマートフォンで記念撮影。大きなぶどうを手にした子どもたちは、みんな笑顔で楽しそうです。子どもたちだけでなく、大人も傘掛、袋掛されているブドウを下からのぞきこみ選んでいます。
私もこの日、高妻、安芸クィーンの二種類を収穫することができました。受付にいた園主の飯田さんに声をかけると「わざわざありがとう!」と嬉しそうな笑顔がかえってきました。自分のことを覚えてくれていたと思うと嬉しいですね。農家さんと、何気ない会話での交流。そんな楽しみも体験とセットになっているような気がしました。ぶどうは、家に戻ってから食べてみたのですが、安
芸クィーンは甘みがあり、高妻はコクのある美味しさ。とてもジューシーでした。
現在、世田谷区、目黒区では十八名の方がぶどう作りに頑張っておられます。ぶどう園の情報は、世田谷ぶどう研究会のホームページで確認することができます。令和二年は、「飯田ブドウ園」の他、目黒の「根岸ぶどう園」、「小杉ぶどう園」でも、ぶどう狩りを楽しむことができました。
農園情報
飯田果樹園 世田谷区用賀 ぶどう狩り八月下旬頃
開園時間 九時〜十六時(なくなり次第終了)
開園情報 飯田果樹園ホームページ
https://iika-gen.wixsite.com/iidavineyard
世田谷ぶどう研究会ホームページ
http://www.budou.jp/index.html
NPO法人農業情報総合研究所ブログです。農業、食、環境の情報発信情報や日々の活動をご紹介しています。
注)よく似た名前の団体、ブログがあります。ご注意ください。
SNSに記事をアップしていましたが過去記事を探すのが困難なので記録用としてブログに記事を掲載しています。
日付はかなり前後しています。
ツイッター https://twitter.com/nogyosogouken
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イチジク学会 https://facebook.com/japanfigsociety/
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2022年03月04日
2022年02月24日
C都市農業魅力発信レポート:ぶどう狩り体験 板橋区で唯一のぶどう園(大門)
ぶどう狩り体験 板橋区で唯一のぶどう園(大門)
令和四年二月 NPO法人農業情報総合研究所
「さんぶどう園」との出会い
東京二十三区内、世田谷区、目黒区以外に、ぶどう園があると知ったのは平成二十七年、農業専門紙に掲載されていた板橋区のぶどう狩りの記事を読んだのがきっかけでした。都市農業の取材を初めてから、世田谷農業や同区の農家さんにお話を伺う機会はあっても、板橋区の農業については情報がなく、収穫体験、農家さんにお会いする機会がありませんでした。板橋区で唯一のぶどう園「さんぶどう園」では、六十年ほど前からぶどうを栽培されていることがわかりました。また、SNSを活用。ツイッターから開園、直売情報を発信されています。
「さんぶどう園」に、ぶどう狩りに行こうと思ったのは板橋区成増にオープンした成増農業体験学校に通っていたときのことです。農業体験学校のある最寄り駅から、ぶどう園が近いことがわかったからです。ちょうど、農作業体験終了後なら十分間に合いそうなので行ってみることにしました。成増農業体験学校での体験については別途ご紹介しますが、平成三十年、板橋区内の農業者の高齢化、後継者不足に対応するため、農業の魅力づくりによる継承を行いつつ、板橋区の農業者の支援活動が担える人材の育成を目指して作られました。
ぶどう狩りの概要
国際興業バス「大門竹の子公園前」下車すぐ。入園料無料。受付でカゴとハサミを受け取ります。あとは、自由に園内のぶどうを収穫することができます。つまみぐいは出来ませんので注意しましょう。ぶどうの品種は、シャインマスカット、巨峰の二種類。平成三十年は、スチューベンという品種もありました。ぶどうは量り売りです。受付で精算。現金払いとなります。
ぶどう狩りを体験してみて
平成三十年、目黒区、世田谷区、板橋区のぶどう狩りに行きました。板橋区の「さんぶどう園」さんには、バスに乗り農園に向かいました。最寄りの停留場で降りると、すぐに看板が見えました。園内に入ってみると、傘掛け、袋掛けされたぶどうが目に飛び込んできました。品種によって色分けされているようです。どうして、こんな風に紙をかけてあるのかを調べてみると、ぶどうに雨があたってカビが生えないように傘のようにかけられているのが傘掛け。鳥獣、害虫から守るためにぶどうを丸ごと袋に入れるのが袋掛け。いずれも、ひとつずつ手作業で行います。これを知り、ぶどう作りの大変さを理解することができました。
袋に隠れているぶどうを、どうやって選ぶのか不思議ですよね。それは、袋掛けされた下の部分が切れていて中のぶどうが見えるようになっているのです。つまり、下からのぞき込むようにしてぶどうを見て選びます。どれにしようか迷いながら、大きなぶどうを選ぶのも楽しい体験です。
小学生のお子さんだと、ぶどうの下から見上げればぶどうの大きさが見えます。園内では。お母さんと一緒に来た小学生が、どのぶどうにするか一生懸命選んでいました。他にも、三世代でぶどう狩りを楽しんでいる家族がいらっしゃいました。もぎとったぶどうを精算後、園内に置かれてテーブルを囲んでみんなで美味しそうに食べていました。私も収穫したぶどうを早く食べてみたくて、バスの中でまわりに気づかれないようにこっそり食べてみました。口の中いっぱいに甘さと爽やかな酸味が広がりました。ジューシーな美味しいぶどうに、思わず笑顔になりました。
ぶどう作りの大変さ
ぶどうを守るために傘掛けや袋掛けをつけても、長雨、日照不足により、ぶどうが病気になったり、キズがついたり、大きさにも影響があるようです。令和二年は、強風、長雨、日照不足で休園となり区内にあるファーマーズショップでぶどうが販売されました。令和三年は、開園前の長雨でぶどう狩りは中止となりシャインマスカットの直売だけとなりました。農園のツイッターから、ぶどう狩り中止、直売のお知らせ情報が発信されると、それを見た人が、ぶどうを買いに行き四日間で完売。私も、直売所でシャインマスカットを2つ購入することができました。農家さんが一年間大事にぶどうを育てても、天候はコントロールできない難しさがあること。自然とどう向き合っていくのか。農業の難しさを学ばせていただくことができました。今年は、農園でぶどう狩りができるのを楽しみにしています。
農園情報
さんぶどう園 板橋区大門
ぶどう狩り 毎年八月後半から九月上旬
開園情報 さんぶどう園のツイッター掲載
予約不要
https://twitter.com/dl_acx
令和四年二月 NPO法人農業情報総合研究所
「さんぶどう園」との出会い
東京二十三区内、世田谷区、目黒区以外に、ぶどう園があると知ったのは平成二十七年、農業専門紙に掲載されていた板橋区のぶどう狩りの記事を読んだのがきっかけでした。都市農業の取材を初めてから、世田谷農業や同区の農家さんにお話を伺う機会はあっても、板橋区の農業については情報がなく、収穫体験、農家さんにお会いする機会がありませんでした。板橋区で唯一のぶどう園「さんぶどう園」では、六十年ほど前からぶどうを栽培されていることがわかりました。また、SNSを活用。ツイッターから開園、直売情報を発信されています。
「さんぶどう園」に、ぶどう狩りに行こうと思ったのは板橋区成増にオープンした成増農業体験学校に通っていたときのことです。農業体験学校のある最寄り駅から、ぶどう園が近いことがわかったからです。ちょうど、農作業体験終了後なら十分間に合いそうなので行ってみることにしました。成増農業体験学校での体験については別途ご紹介しますが、平成三十年、板橋区内の農業者の高齢化、後継者不足に対応するため、農業の魅力づくりによる継承を行いつつ、板橋区の農業者の支援活動が担える人材の育成を目指して作られました。
ぶどう狩りの概要
国際興業バス「大門竹の子公園前」下車すぐ。入園料無料。受付でカゴとハサミを受け取ります。あとは、自由に園内のぶどうを収穫することができます。つまみぐいは出来ませんので注意しましょう。ぶどうの品種は、シャインマスカット、巨峰の二種類。平成三十年は、スチューベンという品種もありました。ぶどうは量り売りです。受付で精算。現金払いとなります。
ぶどう狩りを体験してみて
平成三十年、目黒区、世田谷区、板橋区のぶどう狩りに行きました。板橋区の「さんぶどう園」さんには、バスに乗り農園に向かいました。最寄りの停留場で降りると、すぐに看板が見えました。園内に入ってみると、傘掛け、袋掛けされたぶどうが目に飛び込んできました。品種によって色分けされているようです。どうして、こんな風に紙をかけてあるのかを調べてみると、ぶどうに雨があたってカビが生えないように傘のようにかけられているのが傘掛け。鳥獣、害虫から守るためにぶどうを丸ごと袋に入れるのが袋掛け。いずれも、ひとつずつ手作業で行います。これを知り、ぶどう作りの大変さを理解することができました。
袋に隠れているぶどうを、どうやって選ぶのか不思議ですよね。それは、袋掛けされた下の部分が切れていて中のぶどうが見えるようになっているのです。つまり、下からのぞき込むようにしてぶどうを見て選びます。どれにしようか迷いながら、大きなぶどうを選ぶのも楽しい体験です。
小学生のお子さんだと、ぶどうの下から見上げればぶどうの大きさが見えます。園内では。お母さんと一緒に来た小学生が、どのぶどうにするか一生懸命選んでいました。他にも、三世代でぶどう狩りを楽しんでいる家族がいらっしゃいました。もぎとったぶどうを精算後、園内に置かれてテーブルを囲んでみんなで美味しそうに食べていました。私も収穫したぶどうを早く食べてみたくて、バスの中でまわりに気づかれないようにこっそり食べてみました。口の中いっぱいに甘さと爽やかな酸味が広がりました。ジューシーな美味しいぶどうに、思わず笑顔になりました。
ぶどう作りの大変さ
ぶどうを守るために傘掛けや袋掛けをつけても、長雨、日照不足により、ぶどうが病気になったり、キズがついたり、大きさにも影響があるようです。令和二年は、強風、長雨、日照不足で休園となり区内にあるファーマーズショップでぶどうが販売されました。令和三年は、開園前の長雨でぶどう狩りは中止となりシャインマスカットの直売だけとなりました。農園のツイッターから、ぶどう狩り中止、直売のお知らせ情報が発信されると、それを見た人が、ぶどうを買いに行き四日間で完売。私も、直売所でシャインマスカットを2つ購入することができました。農家さんが一年間大事にぶどうを育てても、天候はコントロールできない難しさがあること。自然とどう向き合っていくのか。農業の難しさを学ばせていただくことができました。今年は、農園でぶどう狩りができるのを楽しみにしています。
農園情報
さんぶどう園 板橋区大門
ぶどう狩り 毎年八月後半から九月上旬
開園情報 さんぶどう園のツイッター掲載
予約不要
https://twitter.com/dl_acx
2021年11月17日
B都市農業魅力発信レポート:夏野菜の収穫体験/世田谷区千歳台
内海果樹園との出会い
小田急線千歳船橋駅下車。駅から十分ほど歩くと、環状8号線沿いに畑が見えてきます。伺ったのは内海果樹園さん。区内唯一のリンゴ、梨園です。八年前、コミュニティラジオ番組のインタビューでお世話になりました。
しばらくぶりに農園に伺ったのは二年前の五月。東京農業大学国際バイオビジネス学科の先生と、学生たちが内海果樹園で農作業のお手伝いに行くというので同行させていただきました。見学だけのつもりでしたが、先生が、「せっかくだから体験して行ってはどうですか?」と声をかけてくれました。手袋とハサミを受けとり、園主の内海さんから説明を聞いて学生たちと一緒にリンゴの摘果作業を体験しました。リンゴは、一つの株から5〜6つリンゴの小さな実ができます。養分を取り合わないように大きな実をだけを残して後は摘み取ってしまいます。
理屈はそうですが、実際には同じような小さな実が並んでいます。どの実を残すか見極めが難しかったです。一時間ほどの作業ですが立ちっぱなし。腰も痛くなりました。作業体験することで、リンゴ作りの大変さを知ることができました。お手伝いしたリンゴが気になったので、九月にはリンゴの収穫体験に伺いました。
この時、後継者の内海雄揮さんから、時期によっては野菜の収穫体験を行っていると聞きました。十二月に、開園を予定しているというので冬野菜の収穫体験にも伺いました。立派な地場野菜「大蔵大根」を収穫できました。夏は、どんな野菜が収穫できるのか楽しみにしていました。
内海果樹園収穫体験の概要
開園の情報はフェイスブックに掲載されています。予約不要・現地先着順。入園料は不要。令和三年は、七月一日開園〜八月中旬頃まで開園。毎週月曜日、木曜日 十時〜十五時まで。受付で紙袋千円、紙コップ五百円を購入。代金は現金で先払いです。収穫した野菜は紙袋。ミニトマトは紙コップに入れます。山盛りでも紙袋、紙コップに入っていれば大丈夫。カゴとハサミを受け取ったら、内海さんと一緒に畑をまわり収穫できる野菜についてお話しを聞きます。後は、自由に自分の好きな野菜を収穫します。追加で紙袋、紙コップを購入することもできます。収穫後、ハサミとカゴを受付に返却します。
収穫できる野菜
七月二十二日は、ミニトマト、中玉トマト、トマトが十一種類。ピーマン、甘長唐辛子、ナス、水ナス、米ナス、白ナス、キュウリ、パクチー、空心菜が収穫できました。少し前まではトウモロコシも収穫できたそうです。
収穫に参加した親子の様子
当日は、久しぶりの猛暑日となりました。子どもたちは、額に汗しながら夢中でミニトマトを収穫していました。紙コップに、ミニトマトを入れて嬉しそうな子どもや、その場で、ミニトマトを食べていた子どももいました。また、米ナス、白ナスを、一生懸命探している親子もいました。
収穫体験に参加してみて
畑でみたトマトの種類の多さに驚きました。普段の買い物ではトマトの名前ではなく、産地を見て買っていることに気づかされます。例えば、「ロッソナポリタン」は、とても甘く生食に向く赤色のミニトマト。「サンマルツァーノリゼルバ」は、イタリアの伝統的調理用のトマトで、薄皮で調理・加工に最適なトマト。「湘南ポモロン」は、生で美味しい日本の品種と加熱に向くイタリアの品種を掛け合わせた生でも加熱しても美味しいトマト。それぞれ、生食、ソース、加熱に向くといった特長があることもわかりました。
トマトが植わっている足元にはマリーゴールドの花が咲いていました。これは、コンパニオンプランツといって、トマトとマリーゴールドを一緒に植えることで、トマトに寄ってくる虫除け効果があるといわれているそうです。こんなところにも、美味しい野菜を作るための工夫がされていました。ちなみに、トマトとバジルという組み合わせもあるそうです。
収穫を終えて受付に行くと、農園の方から「ミニニトマトをもう少し収穫したら美味しいトマトソースができるわよ」と教えていただきました。家に帰って作ったトマトソースで煮込みハンバーグ。ナスのパスタ。お魚料理にも使ってみました。いずれも美味しくて、あっという間に使い切ってしまいました。収穫したての野菜は、どれも美味しいと家族からも大好評でした。
農園情報
内海果樹園 世田谷区千歳台 野菜の収穫体験 夏・冬
開園の情報 内海果樹園フェイスブックページを検索。https://www.facebook.com/apple.utsumi
小田急線千歳船橋駅下車。駅から十分ほど歩くと、環状8号線沿いに畑が見えてきます。伺ったのは内海果樹園さん。区内唯一のリンゴ、梨園です。八年前、コミュニティラジオ番組のインタビューでお世話になりました。
しばらくぶりに農園に伺ったのは二年前の五月。東京農業大学国際バイオビジネス学科の先生と、学生たちが内海果樹園で農作業のお手伝いに行くというので同行させていただきました。見学だけのつもりでしたが、先生が、「せっかくだから体験して行ってはどうですか?」と声をかけてくれました。手袋とハサミを受けとり、園主の内海さんから説明を聞いて学生たちと一緒にリンゴの摘果作業を体験しました。リンゴは、一つの株から5〜6つリンゴの小さな実ができます。養分を取り合わないように大きな実をだけを残して後は摘み取ってしまいます。
理屈はそうですが、実際には同じような小さな実が並んでいます。どの実を残すか見極めが難しかったです。一時間ほどの作業ですが立ちっぱなし。腰も痛くなりました。作業体験することで、リンゴ作りの大変さを知ることができました。お手伝いしたリンゴが気になったので、九月にはリンゴの収穫体験に伺いました。
この時、後継者の内海雄揮さんから、時期によっては野菜の収穫体験を行っていると聞きました。十二月に、開園を予定しているというので冬野菜の収穫体験にも伺いました。立派な地場野菜「大蔵大根」を収穫できました。夏は、どんな野菜が収穫できるのか楽しみにしていました。
内海果樹園収穫体験の概要
開園の情報はフェイスブックに掲載されています。予約不要・現地先着順。入園料は不要。令和三年は、七月一日開園〜八月中旬頃まで開園。毎週月曜日、木曜日 十時〜十五時まで。受付で紙袋千円、紙コップ五百円を購入。代金は現金で先払いです。収穫した野菜は紙袋。ミニトマトは紙コップに入れます。山盛りでも紙袋、紙コップに入っていれば大丈夫。カゴとハサミを受け取ったら、内海さんと一緒に畑をまわり収穫できる野菜についてお話しを聞きます。後は、自由に自分の好きな野菜を収穫します。追加で紙袋、紙コップを購入することもできます。収穫後、ハサミとカゴを受付に返却します。
収穫できる野菜
七月二十二日は、ミニトマト、中玉トマト、トマトが十一種類。ピーマン、甘長唐辛子、ナス、水ナス、米ナス、白ナス、キュウリ、パクチー、空心菜が収穫できました。少し前まではトウモロコシも収穫できたそうです。
収穫に参加した親子の様子
当日は、久しぶりの猛暑日となりました。子どもたちは、額に汗しながら夢中でミニトマトを収穫していました。紙コップに、ミニトマトを入れて嬉しそうな子どもや、その場で、ミニトマトを食べていた子どももいました。また、米ナス、白ナスを、一生懸命探している親子もいました。
収穫体験に参加してみて
畑でみたトマトの種類の多さに驚きました。普段の買い物ではトマトの名前ではなく、産地を見て買っていることに気づかされます。例えば、「ロッソナポリタン」は、とても甘く生食に向く赤色のミニトマト。「サンマルツァーノリゼルバ」は、イタリアの伝統的調理用のトマトで、薄皮で調理・加工に最適なトマト。「湘南ポモロン」は、生で美味しい日本の品種と加熱に向くイタリアの品種を掛け合わせた生でも加熱しても美味しいトマト。それぞれ、生食、ソース、加熱に向くといった特長があることもわかりました。
トマトが植わっている足元にはマリーゴールドの花が咲いていました。これは、コンパニオンプランツといって、トマトとマリーゴールドを一緒に植えることで、トマトに寄ってくる虫除け効果があるといわれているそうです。こんなところにも、美味しい野菜を作るための工夫がされていました。ちなみに、トマトとバジルという組み合わせもあるそうです。
収穫を終えて受付に行くと、農園の方から「ミニニトマトをもう少し収穫したら美味しいトマトソースができるわよ」と教えていただきました。家に帰って作ったトマトソースで煮込みハンバーグ。ナスのパスタ。お魚料理にも使ってみました。いずれも美味しくて、あっという間に使い切ってしまいました。収穫したての野菜は、どれも美味しいと家族からも大好評でした。
農園情報
内海果樹園 世田谷区千歳台 野菜の収穫体験 夏・冬
開園の情報 内海果樹園フェイスブックページを検索。https://www.facebook.com/apple.utsumi
2021年10月29日
➁都市農業魅力発信レポート:夏野菜の収穫体験/世田谷区中町
都内で気軽に参加できる収穫体験の様子をレポートにしました。ぜひ、読んでみてください。
農園に関しては、世田谷区のホームページをご覧ください。
鈴木農園との出会い
東急大井町線 等々力駅を下車。徒歩7分ほどの場所にあります。伺ったのは鈴木農園さん。知り合いの方から、鈴木農園で収穫体験が行われていると教えてもらいました。農園の作業・管理をされている方が、「農ラジ!」取材でお世話になった方だということもわかり収穫体験に行ってみたくなりました。
令和二年、初めて冬野菜の収穫体験で農園におじゃましました。自分の目で野菜を選んで収穫する。それだけなのに、ひっこ抜いてみないとわからない大根。野菜によって収穫するコツがあることもわかりました。自分の手で収穫するというのが面白くて夏の収穫体験も楽しみにしていました。
収穫体験の概要
開園情報は、世田谷区のホームページに掲載されています。予約不要。現地先着順。入園料不要。令和三年度は、六月中旬〜八月下旬開催。毎週水曜日・日曜日、午前九時〜正午まで。受付でカゴとハサミを受取り、農園の方から、収穫できる野菜と場所を教えてもらいます。後は、自由に自分の好きなだけ野菜を収穫します。
野菜代の清算は、カゴとハサミを持って受付で行います。ハサミは忘れず返却しましょう。代金は現金払いなので、千円札や小銭を用意しておくことをおすすめします。値段は、野菜の種類によって異なります。鈴木農園では、畑に置いてある黒板に野菜の種類と値段が書いてありました。
収穫できる野菜
七月十一日、モロッコインゲン、キュウリ、長ナス、ピーマン、カラーピーマン、ミニトマト、大玉トマト、中玉トマトが収穫できました。2週間後には枝豆。八月はプルーンの収穫体験が予定されていました。
収穫体験に参加した親子の様子
家族連れで参加していた小学生の兄弟。少し大きくなりすぎたキュウリを見つけては、「でかい!」「お化けキュウリだ!」と叫んでいました。二人は競うように、大きなキュウリを見つけてお母さんに報告。それを、お父さんが収穫していました。また、未就学児、小学生の姉妹は、オレンジ色の大きなトマトを見て「これなぁに?」と、お母さんに聞いていました。私も、大きなオレンジ色のトマトを見たことがなかったので、七月に柿?と思ったほどです。大人が間違えるぐらいだから、子どもたちは驚いたに違いありません。
苦手なモロッコインゲンが食べられるように
野菜を収穫していた時、農園の方がカゴにモロッコインゲンが入っていないのに気づき、「モロッコインゲンが美味しいから、ぜひ収穫して行ってください!」と声をかけてくださいました。実は、モロッコインゲンが苦手なので他の野菜ばかり収穫していたのです。農園を管理している方からも、「これ、本当に美味しいから、もっと大きいのをどうぞ」ともぎとってくれました。
家に戻り、料理して食べてみたら苦手だと思っていたモロッコインゲンが美味しくてペロリ。完食してしまいました。料理は、トマトとナス、モロッコインゲンパスタ。お魚と一緒に甘辛く煮ても美味しかったです。他にも、収穫した桃太郎というトマトは、酸味と甘みのバランスがよく、あっという前に食べてしまいました。
収穫体験に参加してみて
畑には、キュウリは、特大の大きいもの。曲がったもの、長さや太さもバラバラ。オレンジ色のトマト。完熟したミニトマトは、手を触れるとポロリと簡単に取れてしまう。実際に体験して畑の様子を見ないとわかりません。お店にキレイに並んでいる野菜からは学ぶことができないことばかりです。他にも、体験に来ている親子と自然に会話を交わすこともあります。楽しそうに収穫している子どもたちの姿を見ると自然と笑顔になってしまうから不思議です。
こんな体験ができるのも貴重な農地が残っているおかげです。なんて贅沢な体験だろうと思います。まだ、参加したことのない方は、収穫体験に参加して収穫体験の楽しさ、都市での農業に触れていたく機会になればと思います。
農園情報
鈴木農園 世田谷区中町 野菜の収穫体験 夏・冬
開園情報 世田谷区のホームページから、農業→ふれあい農園を検索。
https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/shigoto/008/index.html
農園に関しては、世田谷区のホームページをご覧ください。
鈴木農園との出会い
東急大井町線 等々力駅を下車。徒歩7分ほどの場所にあります。伺ったのは鈴木農園さん。知り合いの方から、鈴木農園で収穫体験が行われていると教えてもらいました。農園の作業・管理をされている方が、「農ラジ!」取材でお世話になった方だということもわかり収穫体験に行ってみたくなりました。
令和二年、初めて冬野菜の収穫体験で農園におじゃましました。自分の目で野菜を選んで収穫する。それだけなのに、ひっこ抜いてみないとわからない大根。野菜によって収穫するコツがあることもわかりました。自分の手で収穫するというのが面白くて夏の収穫体験も楽しみにしていました。
収穫体験の概要
開園情報は、世田谷区のホームページに掲載されています。予約不要。現地先着順。入園料不要。令和三年度は、六月中旬〜八月下旬開催。毎週水曜日・日曜日、午前九時〜正午まで。受付でカゴとハサミを受取り、農園の方から、収穫できる野菜と場所を教えてもらいます。後は、自由に自分の好きなだけ野菜を収穫します。
野菜代の清算は、カゴとハサミを持って受付で行います。ハサミは忘れず返却しましょう。代金は現金払いなので、千円札や小銭を用意しておくことをおすすめします。値段は、野菜の種類によって異なります。鈴木農園では、畑に置いてある黒板に野菜の種類と値段が書いてありました。
収穫できる野菜
七月十一日、モロッコインゲン、キュウリ、長ナス、ピーマン、カラーピーマン、ミニトマト、大玉トマト、中玉トマトが収穫できました。2週間後には枝豆。八月はプルーンの収穫体験が予定されていました。
収穫体験に参加した親子の様子
家族連れで参加していた小学生の兄弟。少し大きくなりすぎたキュウリを見つけては、「でかい!」「お化けキュウリだ!」と叫んでいました。二人は競うように、大きなキュウリを見つけてお母さんに報告。それを、お父さんが収穫していました。また、未就学児、小学生の姉妹は、オレンジ色の大きなトマトを見て「これなぁに?」と、お母さんに聞いていました。私も、大きなオレンジ色のトマトを見たことがなかったので、七月に柿?と思ったほどです。大人が間違えるぐらいだから、子どもたちは驚いたに違いありません。
苦手なモロッコインゲンが食べられるように
野菜を収穫していた時、農園の方がカゴにモロッコインゲンが入っていないのに気づき、「モロッコインゲンが美味しいから、ぜひ収穫して行ってください!」と声をかけてくださいました。実は、モロッコインゲンが苦手なので他の野菜ばかり収穫していたのです。農園を管理している方からも、「これ、本当に美味しいから、もっと大きいのをどうぞ」ともぎとってくれました。
家に戻り、料理して食べてみたら苦手だと思っていたモロッコインゲンが美味しくてペロリ。完食してしまいました。料理は、トマトとナス、モロッコインゲンパスタ。お魚と一緒に甘辛く煮ても美味しかったです。他にも、収穫した桃太郎というトマトは、酸味と甘みのバランスがよく、あっという前に食べてしまいました。
収穫体験に参加してみて
畑には、キュウリは、特大の大きいもの。曲がったもの、長さや太さもバラバラ。オレンジ色のトマト。完熟したミニトマトは、手を触れるとポロリと簡単に取れてしまう。実際に体験して畑の様子を見ないとわかりません。お店にキレイに並んでいる野菜からは学ぶことができないことばかりです。他にも、体験に来ている親子と自然に会話を交わすこともあります。楽しそうに収穫している子どもたちの姿を見ると自然と笑顔になってしまうから不思議です。
こんな体験ができるのも貴重な農地が残っているおかげです。なんて贅沢な体験だろうと思います。まだ、参加したことのない方は、収穫体験に参加して収穫体験の楽しさ、都市での農業に触れていたく機会になればと思います。
農園情報
鈴木農園 世田谷区中町 野菜の収穫体験 夏・冬
開園情報 世田谷区のホームページから、農業→ふれあい農園を検索。
https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/shigoto/008/index.html
2021年10月27日
@都市農業魅力発信レポート:<都市農業の魅力・農活の楽しさを伝えたい>
これまでの活動を通して感じた、都市農業の魅力を伝えていこうとレポートをブログに書いていくことにしました。のろのろ、コツコツと行きたいと思います。まずは、自己紹介からスタートです。この後は、収穫体験レポートへと続きます。面白そう、体験に行ってみようかな〜と思ってもらえたらいいな。
地域の農業、食を応援! 作る人、届ける人、いただく人を情報でつなぐ活動
活動紹介
NPO法人農業情報総合研究所は、作る人(生産者)、届ける人(販売者)、いただく人(消費者)をつないで、地域の農業、食を応援する活動を行っています。具体的には、地域の担い手、新たな取り組みを紹介するYouTube配信「農ラジ!」、食農ビジネス起業家とビジネスパーソンをつなぐセミナーの開催、小学生親子に世田谷農業を伝え消費者と生産者をつなぐ食育講座などを開催しています。
活動をはじめたきっかけ
ある日、テレビや新聞で繰り返し報道される食の問題に引き寄せられました。例えば牛海綿状脳症(BSE)、鳥インフルエンザ、産地偽装。同じニュースを目にするたびに食への関心が強くなりました。そんな時、農学部に通う学生たちと出会い話を聞きました。知りたい情報は農学部の学生たちが学んでいました。それを知り、私も、消費者目線で農業、食の情報を学び、社会に発信して行きたい。これが、活動の原点となりました。
世田谷との関り
平成十六年から十年間、世田谷のコミュニティラジオ局で農業番組を担当。当時は、地域の農業情報を集めるのが大変でした。そんな中、世田谷区都市農業課からの紹介で世田谷農業を取材することができました。例えば、農家インタビュー、体験農園、農業公園、地場野菜、直売所、収穫体験などです。取材を通して二十三区内の農地が減少の一途をたどっていることを知りました。
都市農業の魅力、農活の楽しさを伝えたい
平成二十六年、「農ラジ!」配信がスタート。これまで取材でお世話になった皆さんのご協力で、世田谷農業に関わる機会をいただいています。新たにオープンした体験農園、農業公園で行われた収穫体験の様子を取材しました。参加した人たちに話を聞くと、農業体験、野菜作りに興味があると答えた人が多くいたことがわかりました。そこで、これまでの活動を通して感じた都市農業の魅力を伝えたい。そんな思いをレポーにまとめました。都内での農活(農業活動)スタートの、きっかけになれば嬉しいです。
植村春香(うえむら はるか)
NPO法人農業情報総合研究所 理事長
東京農業大学「食と農」の博物館運営委員
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地域の農業、食を応援! 作る人、届ける人、いただく人を情報でつなぐ活動
活動紹介
NPO法人農業情報総合研究所は、作る人(生産者)、届ける人(販売者)、いただく人(消費者)をつないで、地域の農業、食を応援する活動を行っています。具体的には、地域の担い手、新たな取り組みを紹介するYouTube配信「農ラジ!」、食農ビジネス起業家とビジネスパーソンをつなぐセミナーの開催、小学生親子に世田谷農業を伝え消費者と生産者をつなぐ食育講座などを開催しています。
活動をはじめたきっかけ
ある日、テレビや新聞で繰り返し報道される食の問題に引き寄せられました。例えば牛海綿状脳症(BSE)、鳥インフルエンザ、産地偽装。同じニュースを目にするたびに食への関心が強くなりました。そんな時、農学部に通う学生たちと出会い話を聞きました。知りたい情報は農学部の学生たちが学んでいました。それを知り、私も、消費者目線で農業、食の情報を学び、社会に発信して行きたい。これが、活動の原点となりました。
世田谷との関り
平成十六年から十年間、世田谷のコミュニティラジオ局で農業番組を担当。当時は、地域の農業情報を集めるのが大変でした。そんな中、世田谷区都市農業課からの紹介で世田谷農業を取材することができました。例えば、農家インタビュー、体験農園、農業公園、地場野菜、直売所、収穫体験などです。取材を通して二十三区内の農地が減少の一途をたどっていることを知りました。
都市農業の魅力、農活の楽しさを伝えたい
平成二十六年、「農ラジ!」配信がスタート。これまで取材でお世話になった皆さんのご協力で、世田谷農業に関わる機会をいただいています。新たにオープンした体験農園、農業公園で行われた収穫体験の様子を取材しました。参加した人たちに話を聞くと、農業体験、野菜作りに興味があると答えた人が多くいたことがわかりました。そこで、これまでの活動を通して感じた都市農業の魅力を伝えたい。そんな思いをレポーにまとめました。都内での農活(農業活動)スタートの、きっかけになれば嬉しいです。
植村春香(うえむら はるか)
NPO法人農業情報総合研究所 理事長
東京農業大学「食と農」の博物館運営委員
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