2018年06月05日

明治大学黒川農場見学に行ってきました。

オープンから6年目を迎えた明治大学黒川農場。
やっと、見学に行くことができました!

明治大学黒川農場は、環境・自然・地域との共生をコンセプトに、
2012年4月に神奈川県川崎市麻生区の黒川地区に農業研究の新農場として開場しました。
私は、開場後、初めての見学となりました。

農場をご案内して下さったのは、黒川農場 副農場長、明治大学農学部 玉置 雅彦教授です。
開場した年に、私が担当していた「農といえるニッポン!」という番組に
ご出演いただきました。久しぶりの再会となりました。


最寄駅は、小田急線「黒川駅」となります。
シャトルバスは実習の学生専用。一般の方は徒歩。またはタクシ−になります。

私は、先生の車で農場へ移動。
エントランスで写真撮り忘れてしまった・・・。

見えてきたのは、黒川農場のシンボルともなっている本館。
木造のハイブリット構造だそうです。
吹きさらしのため、オープン当時に比べ木材が黒ずんだので少しお化粧直しをしたようです。
これほどの大きな木材を建物に利用できるなんて。日本の建築技術は素晴らしいですね。

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早速、温室を案内していただきました。
まずは、イチゴの温室。すでに、最後の収穫が終わった後でした。あー、残念。
「高設栽培」で、学生たちが実習できるように通路が通常よりも広くなっています。

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温室の熱源は木質ペレット。作物残渣、木や枝をペレット化したもの。
機械は、企業から寄贈されたものだそうです。
木質ペレット生産場も見せてもらいました。

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次は、トマトの温室
よく見ると、センサーが、たくさんついています。

養液土耕法といって、肥料を必要な量だけ溶かした水を点滴しながら土壌で作物を育てる方式
だそうです。どれだけの肥料を溶かした水を、いつ、どれだけ点滴するかを決めるのに、
温度センサーや土壌センサーなどから得たデータをクラウド上で分析。

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その結果に基づいて、点滴用のバルブを開閉するのだそうです。
この研究を行っている、小沢先生にもお会いすることができました。

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最近は、不耕起栽培も始められたそうです。
有機農業のサイトによると、不耕起栽培とは「作物を栽培する際に通常行われる耕耘や
整地の行程を省略し、作物の刈り株、わらなどの作物残渣を田畑の表面に残した状態で
次の作物を栽培する方法」と定義されています。
小沢先生、ありがとうございました。

==(小沢先生の研究)==
株式会社ルートレック・ネットワークスは、自社開発製品であるAI搭載の土壌環境制御システム
「ゼロアグリ」の新機能として「SNS連携機能」を2017年12月13日発表。

【AI搭載土壌環境制御システム 「ゼロアグリ」について】
2005年の創業以来培ってきたM2M技術をベースに、2010年に総務省委託事業にて農業市場に参入。
以降、明治大学との共同開発を開始し、2013年よりAI搭載 土壌環境制御システム「ゼロアグリ」を発売しています。


そして、水耕栽培の温室へ。
入って驚いたのは、少量多品目が栽培されていたことです!

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「水耕栽培は、消費者から敬遠されていたが消費者に受け入れられるようになったとのかな」
という先生のお話を聞いて納得。

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私自身も水耕栽培の野菜は弾力がないのでなんとなく敬遠していましたが、
「サラダほうれんそう」は苦味もなく手軽に食べられるので抵抗なく買っていることに
気付かされました。「サラダほうれんそう」は、水耕栽培でした。(笑)

こちらでは、年間15回収穫が可能だそうです。
水耕栽培は、生産、販売まで安定しているが初期投資が高いことがデメリット。

最近では、食べられる花「エディブルフラワー」の栽培できるようです。
小さなバラも栽培できるとか。女性に人気があるようです。

ここで育てられた野菜は黒川農場近くにある、川崎市のJA直売所『セレサモス』で販売。
お客さんからも好評でよく売れるそうです。
この日、採れたてのほうれんそう!をいただきました。

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そして、学生たちの実習用圃場へ
ちょうど、学生たちが実習にやってきました。みんな、ワイワイ楽しそうです。

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他にも、社会人を対象とした生涯教育講座「アグリサイエンスアカデミー」
有機農業講座が開講されています。かなりの人数の方が参加されているようです。


最後はちょっと変わった形の温室。
中に入ると、バナナや、パイナップル、さとうきびを見ることができました。

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最後は、マイクロバブルのお話を少し伺うことができました。
玉置先生は、農業分野でマイクロバブルの研究を行っておられます。

明治大学ホームページより
主な著書・論文
『マイクロバブルの農業分野への利用の可能性』(共著・マテリアルインテグレーション・2009年)
『マイクロバブル・ナノバブルの最新技術U』(共著・シー工ムシー・2010年)
『Removal of residual pesticide, fenitrothion, in vegetables by using ozone microbubbles generated by different methods』(共著・Journal of Food Engineering・2011年)
『Removal of residual pesticides in vegetables using ozone microbubbles』
(共著・Journal of Hazardous Materials・2011年)


マイクロバブルは日本発祥の技術で、世界でも研究が行われているようです。
現在、マイクロバブル学会、ファインバブル学会連合があります。
呼び方は違いますが、ファインバブルもマイクロバブル。同じ。

現在、工業、医療、農業分野で研究が行われています。
食品に使われた事例は、「二酸化炭素マイクロ・ナノバブル」を用いた日本酒
「純米大吟醸磨き二割三分 獺祭早田」が旭酒造株式会社によって製品化のようです。
 

二酸化炭素をマイクロナノバブル化することで、40℃以下の低温下での殺菌・酵素
失活作用を実現し、熱による酒質の変化を抑えた世界初の製品化です。

研究は、明治大学農学部 早田保義教授の研究テーマ
「低加圧二酸化炭素マイクロナノバブルによる殺菌法の実用化」

早田教授と旭酒造株式会社との共同研究により開発を開始。
平成23年にご逝去されましたが、教え子の小林史幸氏
(現:日本獣医生命科学大学食品科学科講師)が研究を継続し製品化。

医療分野では、ナノバブル湯として温泉などで使用されています。
ただし、マイクロバブルは汚れを取ってくれるが、油もとるため体質上
あわない方もいるようです。

玉置先生、ありがとうございました!


#NPO法人農業情報総合研究所  #明治大学黒川農場  #ゼロアグリ
posted by 農業研 at 19:11| Comment(0) | 農業×IoT・スマート農業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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