2012年07月17日

2012/7/21FM世田谷/農といえるニッポン!震災を乗り越えた日本酒。

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ゲストコーナー: 震災を乗り越えた日本酒。気仙沼とともに復興へ 
宮城県:気仙沼市 株式会社角星 代表取締役社長 斉藤嘉一郎さま
http://kakuboshi.shop-pro.jp/

120712-2.jpg明治39年創業。今年で106年を迎える、宮城県気仙沼にある株式会社角星。看板が歴史を物語っています。このあたりは陸中、陸前の国にまたがっており、酒造り始めたのが隣町の陸中。出来上がったお酒を陸前、気仙沼で販売。二つの地域にまたがるということで両国と言う(商品名)名前で地元の方々に親しまれている酒です。 

さて、東日本大震災発生時蔵はどのような状況だったのかと言うと、本社、製造、配送センターのうち内湾に面した本社は全壊。製造、配送センターについては建屋が多少いたみましたが無事でした。震災後は2週間ほど携帯がダウンしましたが、全国にいる同業者の仲間が心配して連絡くれ、励ましの声など本当に多くの人から連絡を頂いたようです。

120712-3.jpg震災当時、蔵では絞っていなかったタンクが2本。震災で電気も水道もダウン。そのままだと廃棄処分もしなければいけないと覚悟したと言います。タンクの酒を守ろうと試行錯誤している中、道路状況の改善、工業の発電機の調達で2週間ほどタイミングがずれたが、無事お酒を絞ることができました。

ただ、かなり辛いお酒になったそうです。このお酒を、震災を生き残った酒として販売。全国新酒鑑評会金賞を受賞!5年連続の入賞です。また、ワールドインターナショナチャレンジでは銅賞を受賞。おこがましいので商品には表記していませんと言う控えめな斉藤社長。

震災後、基幹産業である魚市場の水揚げが困難な状態になりましたが、なんとか水揚げできるようになった。
船が入り、魚があがることが気仙沼の経済、大きな原動力になる。角星は被災が軽く、5月の段階で酒を詰めて出せる状況になった。そこで、漁船100隻分酒を配ったそうです。

120712-1.jpg復興酒も販売にチャレンジ。震災後に絞った酒をどうして出そうかと考えていたようですが、「船尾灯」(ともしび)という名前はどうだと話があり、もろみ2本絞ったものは「船尾灯として販売。」

4月5月に絞ったお酒は、四号瓶 8500本を完売。さらに、「船尾灯」と言う名前がいいねと言っていただき、昨年の秋からともしびと言う名前でも販売をはじめました。

最後は、母校である東京農大醸造学科の思い出について聞いてみました。正直、学問的なところは覚えていないが、発酵のベースのところや、当時の先生方に教えてもらった、講義の間にひとこと、ふたことが、いまだに心に残っているそうです。

例えば、「アルコール飲料は、その土地の食事との両立ちなのだ。歴史的に成り立って来た。」この言葉は、非常に心に残っていて、今でも造っている酒のベースは学生時代に先生方からご教授頂いたことが角星の酒造りに活かされています。
posted by 農業研 at 23:54| 農業ラジオ:農といえるニッポン! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする