2008年12月25日

種苗会社 みかど協和株式会社インターンシップ受入れインタビュー(4)

ラジオ番組では、昨年度から東京農業大学 短期大学部 生物生産技術学科 藤垣教授のご協力のもと全学科の先生にご協力いただき、大学生のインターンシップレポートをお届けしています。

大学生を受け入れていらっしゃるのは、ほとんどは東京農業大学の卒業生の方々ですが、それ以外でも多くの方々が協力してくださっているとお聞きしています。2008年度からは、大学生からの体験レポートだけではなく、実際に大学生を受け入れている方々にもお話を聞いてみることになりました。

1回目:静岡県 青木農園 青木文次郎さん
2回目:愛知県 (有)メンデルジャパン 専務取締役 蜷川一志さん
3回目:埼玉県 熱田 幸作さん
    地域指導農業協会会長、熊谷市:酒米栽培研究会会長

4回目は、千葉県にある種苗会社 みかど協和株式会社 袖ヶ浦農場の三上さんにお話しを聞かせていただきました。

みかど協和株式会社の業務内容は、野菜、花種子の育種、研究、試験、生産および販売 農業用資材、機器等の卸売 水耕栽培システム等の農業用施設施工および販売。

本社は、東京都渋谷区。千葉県には、大多喜農場、長南農場、勝浦農場、袖ヶ浦農場があります。三上さんがいらっしゃる袖ヶ浦農場では、野菜の育種・試験。商品の展示施設を兼ねています。最近では、アクアラインができたことで東京から施設を訪れる方が増えているそうです。

展示施設を訪れるお客さんは、農家さん、市場の方、試験場の方などですが、最近では家庭菜園をされている方も増えています。家庭菜園の方は、小量・多品目で小さいものを希望される方が多く、プロの方は、他の方ができない時期に栽培できる品種を求められます。また、プロの農家の方の商品は流通にのるので輸送なども考えて、それぞれニーズにあった商品の説明・紹介、品種改良につとめていらっしゃいます。

三上さんは、袖ヶ浦農場でブロッコリーを担当。栽培、産地のニーズにあった育種目標をたてて、評価、選伐、種をとって栽培といったお仕事を担当。一般的に、1品種10年と言われているそうです。ニーズにあった品種改良すると一口に言っても、とても長い時間、研究が必要とされるわけですね。最近、TV番組でも健康にいい野菜として何度も紹介されたのがきっかけで、ブロッコリーの消費がのび栽培面積も増加傾向にある注目野菜のようです。

さて、ここで気になることをひとつお聞きしてみました。それは、遺伝子組み換え作物。(GM)についてです。国内で流通販売されている野菜で遺伝子組み換えというのはあるのでしょうか?

国内で栽培され、流通販売されているものはないそうです。しかし、海外では本格的に栽培が始まっているところもあるようです。ですから、輸入野菜については可能性もあるということですね?(遺伝子組み換え野菜については、専門家の方にもお話しを聞いてみないといけないですね。)

もうひとつ、気になるといえば温暖化の問題ですね。野菜の栽培で影響はでているのか聞いてみました。栽培でとても大切なのは温度。ゲリラ豪雨や、気温が高い日が多かったり、最近は平均温度が読めなくなってきているそうです。

野菜にとって雨が多く温度が高いと病気が発生しやすく、農家の方々にも影響が出てきているようです。今後は、育種の分野でも暑さがキーワードになってくるのではないか?その他、有機などにも関心が高まっているので、さらに追及していかなければならないと感じているそうです。

さて、東京農業大学 短期大学部の学生を受け入れるきっかけは、大学の先輩である先生からのお話だったそうです。学生にとっては、単位のひとつになるので、体験だけではなく知識のひとつでも身につけてもらえたいと、三上さんが考えていたようです。

来てくれた学生たちとも積極的に話をしているそうですが、インターンシップ期間が、ちょうど冬なので野菜がほ場になく単純作業に多くなるのですが、積極的に学生たちが説明したことを勉強してくれたたり、質問もしてくれるのでとても嬉しいそうです。

学生のみんなは、インターンシップに行きプロの方々にお会いするわけですから、何かひとつでも吸収して来てほしい。また、体験を通じて仕事に興味を持ってくれた学生が、みかど協和に就職してくれることも楽しみにされているそうです。

この内容は、12月20日(土)FM世田谷 農といえるニッポンで放送されました。


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